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川口以外は、カップルが二組になった店内には、一種異様な雰囲気があった。
このままの時間が明日以降も続くような錯覚さえ覚える。
それくらい普通の日常のような雰囲気が漂っていた。
川口は何もしゃべらなかった。黙って、ただバーボンのグラスを傾けていた。
本題に入れない苛立たしさを感じ、残っている客達に憎悪のようなものも感じた。
カップル以外の声が聞こえない。
BGMのボリュームも12時を過ぎたときよりさらに落とされていた。
その時、店の電話がなった。
カウンター周りだけが静かだったために、川口にはやけに大きな音に聞こえた。
地下のここは携帯の電波が入らない。
誰かが連絡を取りたくて電話をしてきたのだろう。
「はいレインマンです」
和幸は静かに言った。そして「少々お待ち下さい」の声の後に川口に受話器を渡した。
電話の主はアシスタントの小橋真由美からだった。
「明日の朝提出する企画書、川口さん持っていませんか?」
川口は、今晩は徹夜になるのでは?という懸念から企画書の提出を真由美に頼んでいた。
しかし、肝心の企画書は自分が持っている。
パソコンで書いたものをプリントアウトしたものだが、
その元のデータは自宅のパソコンの中にある。
最低限、自宅に戻ってメールで送らなければ間に合わない。
「明日、朝一で会社の君のアドレスにメールで送るよ」
「私の分も併せて提出しなければならないのと、
私が書いた部分に修正がかなりあるんです。それを見てもらいたいんですが…」
「それは無理だよ。明日の朝じゃ間に合わないだろ」
「今から、川口さんのお部屋に行ってもいいですか。
私がお部屋からパソコンだけ持ってきますから」
「それは…」
川口は口ごもった。
真由美とは普通の上司とアシスタントの関係じゃない。
部屋にも何度か来ている。
しかし、自分がいない時に部屋に入らせるほど親しいわけではない。
ただ、真由美は川口の部屋の鍵を持っていた。
「分かった頼む。ただ、パソコンをここに持ってきてくれないか。
横浜のレインマン、知ってるよな?」
「はい。では後ほど」
そういって電話を切った。
受話器を返す時、和幸が言った。
「彼女に知られていいのかい?俺のこと」
「大丈夫だ」
最後の客がチェックのサインを和幸に出した。
さっきまで、早く話をしたくて苛立っていたにも関わらず、
いざ和幸とこの件を知っている関係者だけになるという状態にいくばくかの不安を感じて、
小さな動悸がした。
そして意識は和幸の声につながっていった。
「俺警察に捕まるんだ…」
何をしたのか? 殺人なのか?
いずれにしても小さな過ちではあるまい。
(彼女に知られてもいいの?)
不意にその言葉がよぎった。もし殺人なら殺人者の兄貴か…。
(真由美はどう思うだろうか)
この時になって真由美を店に呼んだことを後悔した。
最後の客が出ていった後、アルバイトのスタッフもほどなく帰っていった。
いよいよ話が始まる…。
川口は胸騒ぎよりももっと大きな胸の中の波動を感じていた。
(つづく)
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