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3
 
10時を過ぎても客は一向に帰る気配がない。 それどころか新しく入ってくる客もいる。
9時に店についたが、少し早かったかなと川口は思った。
さほどうるさい感じがしなかった店内が、客が増えるにつれてどんどん騒がしくなっていく。
(繁盛しているな)
そう思った瞬間、カウンターの中の和幸が言った。
「今日は珍しいよ。大繁盛だね。みんなまるで知ってるみたいだ」
その軽口が、和幸の現状とギャップがありすぎて、違和感を感じた。
和幸が酒のお代わりを作り、前を離れた時、
昨日、和幸に店が終わる頃に入れた電話の内容を思い出していた。
「捕まるっていうのはどういうことだ」
「詳しい話は明日店でするよ。でも今いろいろ片づけていて、先々週、幸子にも話したんだ」
「幸子さんはなんて?」
「怒ってたよ、当然だけど。
でも、どうしてこういうことをしなければならなかったのかということを話した、
そうしたらあたしのせいなの?って言って泣き出した。参ったよ」
「金が理由か?」
「まあ、そんなとこ。でも、真沙美を犯罪者の娘にはしたくないからね。
離婚して実家に帰れって言った。
女って、そういう時は、旦那よりも子供を守るという意識が強くなるんだろうな、
それがいいわねって…。あっさりしたもんだったよ。」
「届けはもう出したのか?」
「先週、出した。」
「いつ、九州に行くんだ?」
「明後日。荷物は粗方もう送ってある。」
「なにしろ、明日、兄貴に最後のお願いをしたらそのまま自首するから」
「自首するんならもうちょっと後にしてもよかったんじゃないか?」
「何いってるんだよ、兄貴。自首を伸ばしたら逮捕されちゃうよ。
本当は逮捕されてもおかしくないんだ。
でも、横浜署に釣り仲間がいてね、そいつの恩恵でまだ娑婆にいられるってわけ」
和幸は電話の向こうで茶化すように言った。
「そうか。じゃあ、明日、その警察の奴も来るんだな」
「ああ、兄貴との話が終わった頃にね」
「分かった。じゃあ、明日」
「頼むよ、じゃあね」
(じゃあね、か)普通の約束の後の、軽い言葉、その軽さが余計に心に響いた。
思い立ったように川口は、店を出て、階段の下で電話をした。
相手は幸子にだった。
「今日、店に来れないかな?」
「でも、もう会わない方がいいからって、あの人ずっと友達の家にいるんです。
私も最後に会いたいって言ったんですけど、
真由美のことを考えろって言って会おうとしないんです。
いったら怒られるし、私も自分が抑えられるかわかりません。」
少し涙声だった。少しもあっさり離婚を承諾したようには思えなかった。
「私のせいなんです」
「どういう意味?」返事はなかった。
「とりあえず今日は朝までいるから」それだけ伝えて電話を切った。
幸子のせい?何があったのか?もし幸子が来たら和幸は怒るだろうか?
それよりすぐに帰れと言うかも知れない。
来たことを分からないようにどこかに隠れていてもらうか…。
店の中に戻りながら、隠れられそうな場所を探した。
夜が深まるにつれて、一組また一組と客達が店を出ていく。
賑わっている間は嬌声で聞こえなかったBGMが段々と大きくなり、 客がまばらになってくる。
12時近くになると、残った客の囁きのような声だけが聞こえるようになる。
和幸は、カウンターの奥のBGMのボリュームを少し下げた。
そして、 景色を心に焼き付けるように、
静かに店内を見渡していた。

(つづく)
 
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